対ゴキゲン中飛車の中盤での次の一手 角の利きに注目 第69回NHK杯杉本八段vs行方八段の対局から出題 

第69回NHK杯 1回戦第11局  ▲杉本昌隆八段対△行方尚史八段の対局から

序盤では先手の杉本八段がゴキゲン中飛車から角道を止め銀冠に、後手の行方八段も銀冠に組みます。中盤で先手が4筋から動き、仕掛けて以下の局面になりました。

第69回NHK杯 ▲杉本昌隆八段vs△行方尚史八段 73手目▲7七桂の局面図

ここでの最善手は何でしょう?

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正解は△8六飛です。

実戦では後手が△同桂成と取ったのですが、そこで▲6四角と取られて好位置の角が消えてしまいました。

第69回NHK杯 ▲杉本昌隆八段vs△行方尚史八段 75手目▲6四角の局面図

これでも後手は飛車を成りこめて優勢ですが、もっと優位に進める手順がありました。それが△8六飛です。

第69回NHK杯 ▲杉本昌隆八段vs△行方尚史八段 74手目△8六飛の局面図

以下▲同歩△7七桂成とします。

第69回NHK杯 ▲杉本昌隆八段vs△行方尚史八段 76手目△7七桂成の局面図

ここで▲同銀なら△4六桂と打って金の両取りがかけられます。▲5五歩と角道を止める手には△6七成桂▲同金△5八角で飛車金両取りがかけられます。

角取りに▲6五歩と打ってくる手には△3三角成▲同金△7六成桂▲5七銀△6七成桂と進めます。

第69回NHK杯 ▲杉本昌隆八段vs△行方尚史八段 82手目△6七成桂の局面図

ここで▲同金なら△5八角で飛車金両取り、▲4八金や▲4七金なら△4五桂と跳ねて後手勝勢です。

最初の問題図の▲7七桂が先手にとって形勢を大きく損ねる一手でした。代わりに▲5五歩としておけば後手優勢ですがまだまだ難しい将棋です。

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