最短で将棋の棋力を上げる効率の良い上達法は何か?

私の将棋歴は10年以上で棋力は将棋ウォーズで3段であり、この棋力は初心者と比べればかなり強いと言えます。ですが世の中には私よりも強い人がたくさんいて、そういう人達と比較すると時間をかけた割にはあまり強くなれていません。

もしも将棋を始めた頃にタイムスリップできるとしたら 、より素早く、より強くなるために過去の自分にどのようにアドバイスすれば良いでしょうか?

私なら以下のようにアドバイスします。

1.明確なフィードバックが得られるものに注力しよう

2.明確に記録しよう

3.反復的、継続的に取り組もう

4.相手の手を読もう

5.まとめ

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1.明確なフィードバックが得られるものに注力しよう

フィードバック: feedback とは 反応、帰還という意味です。効率よく強くなるためには多くの知識を素早く身につける必要があり、自分に知識があるかどうかはっきりとしたフィードバックがすぐに帰ってくるようなものが上達法として望ましいと言えます。

将棋の上達法は

問題を解く、実戦、定跡を覚える、棋譜並べ

の4つに分けられ、書いた順に良質なフィードバックが得られます。

A.問題を解く

問題というのは詰将棋や必至、次の一手のことです。この中で最も単純でわかりやすいのが詰将棋、必至はそれより複雑で、次の一手は問題によりけりです。

まずは簡単な1手詰の詰将棋から始め、徐々に長手数のものが解けるようにしていきましょう。 王手しか指せない詰将棋と比べ、必至は王手と詰めろの2つの選択肢があり複雑なので、ある程度詰将棋が解けるようになってから取り組むべきです。

次の一手は囲い崩し、駒の手筋などの部分的な攻めの手筋から学ぶと良いでしょう。攻めの手筋がわかるようになれば、それを未然に防ぐ受けの手も理解しやすくなります。

B.実戦を指す

実戦を指すには対面かネットで人かAI・将棋ソフトと指すという方法がありますが、私ならネットでAI・将棋ソフトと指すことをおすすめします。

対面よりネットのほうがいいのは記録が自動的にできて、指した後に簡単に振り返ることができるからです。

ネットで人と指す場合、 初心者は 将棋ウォーズや将棋クエストを使わない方がいいでしょう。 自動マッチングで対戦相手が見つけられて便利なのですが 、最初は30級から始まるシステムなので、始めたばかりの上級者に一方的に負かされてしまうことがあるからです。

始めたての人は特に人よりもAI・将棋ソフトと指すべきです。最初は相手の棋力を調整して勝つ楽しみを知ることが大事です。具体的にはぴよ将棋がいいでしょう。

一番弱いレベルのAIを上手にして手合割は十枚落ちで指し始め、ある程度勝てるようになったら徐々に落とす駒を減らしていき、平手で勝てるようになったらAIのレベルを上げていくと気持ちよく勝ちながら棋力を上達させられると思います。

将棋を指し終わったらAIで棋譜解析をして悪手や疑問手を指した局面でどう指せば良かったかを検討しましょう。棋譜解析はShougiGUIや将棋所などのGUIソフトとdolphin1/orqha1018やdolphin1/illqha4などの思考エンジンをダウンロードすれば無料でできます。棋譜解析が終了すると評価値グラフが表示され、一局全体の形勢の推移を見ることができて便利です。以下のグラフはShougiGUIの評価値グラフです。

評価値グラフ

赤い丸で示されているのが悪手で、黄色で示されているのが疑問手です。その部分のソフトの読み筋と自分の読み筋を比べることで改善点がわかります。検討モードでここでこう指したらどうなるんだろうという疑問をいろいろ試してみると良いでしょう。

AIは指し方にパターンがあり同じような局面で同じような手を指してくることが多いです。それが単調に感じられてきたら人と指してみましょう。

C.定跡を覚える

将棋の序盤では様々な指し方や戦法が存在し、初心者にとっては変化が膨大にあり、戸惑うところですが、定跡を知ることで序盤での指し方、考え方を理解できるようになります。

ですが定跡は暗記すれば良いというものではありません。必ずしも相手は定跡通りに指してくるわけではなく、定跡が必ずしも最善とは言えず、後々内容が変わることがあるからです。なので細かい手順を覚えるよりも考え方や狙いを把握するため大雑把に全体の流れを把握するといった要領で取り組むとよいでしょう。

D.棋譜並べ

棋譜並べは上級者向けの上達法です。プロの将棋はお互いの狙いが簡単に決まることはなく、それを防ぎつつ進行することが多いので指し手の意味を理解するのは有段者でも難しいです。棋譜並べは好きというわけではないなら率先して行う必要はありません。

2.明確に記録しよう

読んだ本の題名や解いた問題の中で間違ったものはノートに記録しておきましょう。そうすることでより簡単に過去を振り返ることができ、繰り返し間違った問題を解くことで素早く知識を身に着けることができるようになります。

3.反復的、継続的に取り組もう

将棋の手筋や定跡などの知識は1つや2つ覚えたところで実戦にはあまり役に立たず、それがある程度蓄積して初めて大きな効果を発揮します。

例えば四間飛車の定跡しか知らない人が対戦相手であれば自分もその定跡だけを覚えておけば簡単に対応できますが、居飛車も振り飛車も指せる人が相手であれば対策は立てづらく、手強い相手になります。

知識が増えれば増えるほど 強くなるというものではなく、最初はあまり効果が出ないですが、ある段階を超えると一気に強くなるという感覚です。

知識がある程度まで増えるとそれまで断片的だったものが組み合わさって相乗効果を発揮することで加速度的な上達が起きるのではないかと思います。そのような状態に至るためにはある程度継続して知識を習得し続ける必要があります。

多くの手筋を知るために簡単なところから毎日少しずつ問題を解いていくとよいでしょう。

4.相手の手を読もう

将棋を指すとき、自分の狙いだけを考えて指していては強くなれません。

例えば第1図の局面で先手が▲5五角△5二飛▲7四桂△9二玉▲8二金で後手玉は詰みと読むのは、自分に都合の良い手順を読んでいるだけです。▲5五角には△2四飛とされて▲7四桂には△同飛で上手くいきません。

失敗図 △2四飛の局面

このように己の狙いを考えるだけでは良い手が指せません。自分の手を指す前に相手から見てどう指してくるだろうかと考えてから指しましょう。

5.まとめ

結論としては詰将棋などの問題を解き、定跡を覚え、実戦を指し、局後にAIで検討するという事を繰り返し行っていけば素早く棋力を上げられるのではないかと思います。

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